もしもの小部屋 #6+ 西脇 徹さん おまけトーク
【ゲスト】
有限会社カツミ工業
代表取締役 西脇 徹(にしわき とおる)
Instagram: https://www.instagram.com/smileflower5371/
カツミ工業HP: https://katsumi.smileflower.org/
「もしも」インタビューを終えて
※敬称略
悠木:今日はありがとうございました。
ボランティアの話をたくさん聞かせていただいて……。経験ってやっぱり大事ですよね。
西脇:そうですね。今でも経験が大事だと思っています。
足りないものだらけなんですけど、それはやらないとわからないんですよね。
やるきっかけが生まれるのは、自分に足りないものがあると気付いた瞬間なんです。
だから色々なものに手を出すのはいいと思いますよ。
僕は、この年になってマーケティングの勉強をはじめたんです。
製造業は、お客様から依頼されたものを作って売っているので、「1ミリ削って」と言われれば、1ミリ正確に削って製品を作ることに注力しているんですよね。
だから、お客さんの気持ちや「こうすれば売れるんじゃないか」とか、「こういう戦略で行こう」とか考えたことがありませんでした。
それで『ボランテル』(ボランティアと企業をつなぐプラットフォーム)をはじめるにあたって、「どうやったら人に響くんだろう?」とか、「どの世代がターゲットになるんだろう?」と思って本を読んでみたんです。
そうしたら「こんなこと全然勉強してなかった」と気づいて、少しずつ勉強をしているんですよ。
悠木:勉強しようと思えるようになるのは大人になってからの方が多い気がしますね。
西脇:たとえば、親御さんが子どもに「あなたのやりたいことは何?」と聞くことがありますが、それに答えられないのは当然だと思うんです。
このような聞き方をしてしまうのは、ご自身がやりたいことを見つけられなかった後悔があるからかもしれません。
前向きな人は「色々やってみろ、その中からやりたいことを探せ」という言い方をするんじゃないでしょうか。
やりたいことは、経験してきたことの中からしか探せないんですよね。
悠木:わたしも学生時代は「何をやりたい」ということがなくて、なんとなく仕事を選んでしまいましたね。
転職をしてからは「これをやりたいからこの会社に行きたい」と選べるようになりました。
西脇さんがお話された、ボランティアやバックパッカーでいろいろな経験をする中で「好きかも」と感じるところに進むとがんばれるかもしれないですね。
西脇:僕は絶対にバックパッカーをやった方が良いと思いますね。
大人でもやりたいくらいです。
先ほど(もしもインタビュー本編)も言いましたけど、右と左とまっすぐがわかっていればタクシーに乗れますからね。
たとえ言葉がわからなくても、身振り手振りで意思を伝えることはできますからね。
そう考えるとどこでも暮らせると思いますし、それをどうやって乗り切って来たかという経験を積むのはとても良いと思います。
悠木:最近はスマホの翻訳アプリもあるので、むかしの何もなかった時代よりは少し安心感はあるかもしれませんね。
西脇:実際に、僕が製造業のときは中国の方とやりとりをするとき、お互いにポケトークを買って、ポケトークで会話をしていましたよ。
今は技術の進化で言葉は通じるので、文化の違いを勉強するといいと思います。
悠木:文化の違いといえば、国内でもありますよね。
たとえば、岐阜や愛知では喫茶店でコーヒーを頼むと、何かおつまみが付いてくるのが当たり前なんですが、他の地域ではコーヒーしか出てこないのでちょっとしたカルチャーショックを受けました。
西脇:そう、「当たり前」に慣れてしまっているんですよね。
僕たちが18歳、19歳くらいからペットボトルの水が売られはじめましたが、当時は「水を買うなんてアホだ」と言っていましたからね。
でも、今の子たちはペットボトルの水を買うのが当たり前ですよね。
時代とともに、いつの間にか「当たり前」は変わってきましたし、この先も「当たり前」はどんどん変わっていくんです。
でも、実は変化がぐるりと巡って戻っていくような気もしているんです。
たとえば、ウォーターサーバーは水の輸送費がかかるので配達をやめて、水道の水を入れてろ過するタイプが主流になってきています。
昔は、水道の蛇口の先にろ過器を付けていましたが、今はまたそこに戻ってきているんですよね。
デザインや機能の違いなどはありますけど、やっていることは形を変えながらぐるぐる回っていくんだろうなと思いますね。
僕がやっているゴミの機械『アースキューブ』もそうですね。
アースキューブは火を使わずにゴミを処理できる機械なんです。
昔は会社に焼却炉を置いて、ある程度自社でゴミ処理をしていたんですよ。
でも、石油製品が増えたことで燃やすと有害物質が出るので、自社の焼却炉で「燃やしてはいけない」となったんです。
これは自社でゴミを処理してはいけないということではありません。
だから、アースキューブのように環境に配慮した機械を使うことで、自社でゴミを処分していく流れに戻っていくのではないかと思っているんです。
悠木:昔のことを振り返ることで、逆に新しい、次の一歩が見つかるかもしれないということですね。
西脇:あると思います。
食生活もそんな気がしていて、原始的な食生活に変わっていくんじゃないかと思うんですよね。
後輩たちに、これだけ野菜が高騰しているんだから、家を建てるときは庭を畑にして、自分のところで食べる野菜を育てるようにすればいいんじゃないかと言っているんです。
悠木:ご近所の方と仲良くなって、作る作物を分担して分け合うのもいいですよね。
西脇:それもアリだと思います。
僕も農業事業をはじめて1年野菜を育ててみて、なんとなく感じたことがあるんです。
それが「規模」で、規模を増やせばそれで生活していくことができますし、季節ごとに育てる作物を変えていくこともできますよね。
兼業農家を目指すのも良いと思います。
これからの農業は、若い人たちが取り組んでも面白いんじゃないかと思います。
そういえば、今日はキャベツが1玉1,000円を超えてましたよ(撮影時の価格/2025年1月上旬)。
それを見たとき、お好み屋さんはどうなるんだろう?と考えたんです。
それならば、お好み屋さんが自社農園を持てれば価格や流通が安定しますよね。
ただし、自社で農園のプロデュースまですると大変なので、就労支援施設などとタッグを組んでやることができたら、福祉的にもお店的にも良いんじゃないですかね。
― 西脇徹さん、ありがとうございました。