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もしもの小部屋 #9 山口トオルさん<【俺様デザイナーが絵本作家に?!】“尖ったデザイナー”が仲間のチカラに気づくまで>

 

山口トオルさん

【ゲスト】

有限会社ワイズハート

代表取締役社長 山口トオル(山口トオル)

絵本フェス:https://ehonking.wixsite.com/ehon

絵本紹介サイト:https://ysheartyama.wixsite.com/bokukami


グラフィックデザイナーとして約31年のキャリアを持つ山口トオルさん。

1999年に独立し、雑誌や情報誌、ポスターなど多岐にわたるグラフィックデザインを手がけてきた。

しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大により業務の依頼が激減。
これをきっかけに「自分の力で商品を生み出そう」と考え、絵本制作をスタートさせた。

絵本では、色鉛筆や水彩を使った柔らかいタッチの手描きイラストが特徴。
「普段はデジタルの仕事が中心だからこそ、絵本ではあたたかみを大切にしたい」と話す。

ヘアドネーションを題材にした『ぼくが髪を伸ばすわけ』をはじめ、これまでに8冊の絵本を出版している。

また、絵本作家たちが自由に作品を発表できる場が少ないことに気づき、自ら立ち上げたのが『絵本フェス』だ。
「漫画の世界にはコミケがありますよね。でも、絵本にはそれを発信する場がなかったんです」
「それなら自分たちで作ろう」という想いからはじまった絵本フェスは、共感の輪を広げながら成長を続けている。

2025年8月には第5回目の開催が決定しており、全国から約100名の作家が参加予定だ。

「絵本フェスには、お子さんはもちろん、大人の方が感動して涙することもあるんですよ」

子どもと大人が同じ目線で楽しめる、そんな貴重な場として、絵本フェスは絵本作家だけでなく多くの人に支持されている。


▼山口さんへの『もしも』のインタビュー

― もしも過去に戻って自分にひとつだけアドバイスができるなら、いつに戻って、どんなアドバイスをしたいですか?

今から26年前の1999年に独立したんですけど、当時は『一匹狼』のような状態でした。

ひとりでやっていれば全然問題ないと思っていたんですよね。

だけど今、色々な人と関わって、いろんな影響を受けて成長できていると実感できているんです。

だから、29歳で独立したばかりの自部に「もっと人と関わっていく視野を持て」と伝えられたら、もっとっ飛躍的なものができたんじゃないかなと思うんです。

― 当時の山口さんはちょっと尖っていた感じだったんですか?

そう、めちゃめちゃ尖ってましたね(笑)。

「俺のデザインを使いたきゃ、使え!」っていう感じで、だいぶ偉そうでした。

― そこから考え方が変わったきっかけは?

40代後半でビジネス団体に入ったことがきっかけですね。

40代になったときに、自分がやったことのない経験が多いことに気づいて、それをひとつずつやってみようと思ったんです。

その中のひとつが団体に入って団体行動のようなものをするということでした。

そういう団体で行動するのは嫌いだったんですけど、経験していないのに嫌いと言うより、入ってみて経験してから嫌いと言った方がいいんじゃないかと思ったんですよ。

実際に入ってみたら好きだったという感じですね。

― 団体や人とのつながりをつくることが嫌いだと思っていた理由はありますか?

ひとつは自分の仕事ではそんなに人数が必要じゃないと思っていたことです。

それに、団体になると人によって温度差の違いがあるじゃないですか。

人数が多ければ多いほど、そうした違いが出てきますよね。

仕切ることは好きだったんですけど、やる気のない人たちを見ているのが嫌だというのがありました。

―  実際に団体に入ったときにはその温度差は感じなかったんですか?

温度差は感じますね。

でも、温度差というかモチベーションの違いは相互理解をすることによってそこまで感じなくなってくるんですよ。

29歳のころの自分は、いわゆる『俺様』だったので基準が全部自分だったんですよ。

でも、みんなそれぞれの基準を持っていますよね。それが理解できるようになると、イラっとしたりストレスを感じたりすることも少なくなるんだと思います。

― もしも29歳の山口さんが今のように人と関わることができていたらどんなことができたと思いますか?

今やっていることにもっと早く気が付いて、もっと早くはじめることができたかもしれませんね。

たとえば「絵本フェス」は今年で5回目ですが、コミケは50年の歴史があるですよ。

絵本フェスも長くやっていたら今よりもずっと広がっていたかもしれないと思います。

 

― 山口さん、ありがとうございました。

山口さんのYoutube動画はこちらから

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