コラム 新企画の顔となるタイトルを提案
『おいしい生活。』
というコピーを知っていますか?
西武百貨店で使われたコピーで、
制作は有名コピーライター 糸井重里氏。
わたしが持っている
『日本のコピーベスト500』という本の中で
堂々の1位に輝いている名コピーです。
この名コピーに悩まされたことがあります。
わたしは、ある百貨店のチラシやポスターのコピーを担当していました。
チラシの編集会議の際、
百貨店担当者の方が、新規催事のお話をはじめました。
催事というのは『北海道展』とか『全国グルメフェア』
のようなイベントですね。
年間で様々な催事を開催するのですが、
定番の人気催事だけでなく
新しい企画の催事を開催することもあります。
その百貨店のメイン顧客層は50~70代の高齢層です。
若返りを図るため、30代を中心に集客できるような催事にしたいとのこと。
そんな催事企画の説明の後、
担当者さんが、わたしの顔をみて言ったのです。
「悠木さん、この催事の催事名を考えてもらえます?」
そして、こんなイメージにしたいと提示されたのが
『おいしい生活。』
従来とは違うターゲット層に向けた新しい催事の名称というだけでも
結構なプレッシャーですが
参考コピーが日本一のコピーとは……
ひたすら考え、
考え、
考え続けて
多分、100個以上の催事名を作り
最終5個ほどを提案しました。
その中の1個が採用され、
催事も無事に開催されました。
催事後、担当者さんから
「催事、大成功でしたよ!」
と言っていただけて、ホッとしました。
売上目標を上回ったそうです。
その催事は、その後も数年間開催されていました。
催事の成功は、
企画のチカラや、バイヤーさんが集めた店舗の魅力、
チラシやポスターのデザインなど
様々な人のチカラが集まった結果です。
そして、そこにコピーとして関わることができて幸せでした。