もしもの小部屋 #7 佐藤和幸さん<【夢は変わらない】中退しても「作るのが好き」は変わらなかった|ゲーム開発の夢が形を変えて今へ>
【ゲスト】
スパイラルアップサポート
代表 佐藤和幸(さとうかずゆき)
URL:https://spiralup-support.biz/
岐阜県富加町で『スパイラルアップサポート』を運営する佐藤和幸さんは、企業へのITシステムのサポートやホームページの制作の他、企業や個人に向けてのコーチングを手掛けている。
独立から7年目を迎えるに当たり、事業のさらなる発展を目指している。
独立前は、企業のシステム管理者として社内のITインフラの整備やベンダーとの交渉などを担当していた。
その経験を活かし、現在は中小企業のITサポートをおこなっている。
このようなITシステムの整備などは、企業内にIT専門の担当者がおこなうが、中小企業ではそのような専任者がいない場合が多い。
そのため「どうすればよいかわからない」、「どこに相談すればよいかわからない」という課題を持つ企業も少なくないのが現状だ。
それを受け、佐藤さんはITに関する相談役として企業をサポートしているのだ。
「ホームページを持っているけれど運用ができていない」
「スタッフが増えたけれど社内インフラが整備できていない」
というような困りごとを解決していく中で、クライアントとの対話を通じて本当の課題を明確にして解決に導いていく。
その中で、コーチングのスキルも活用して、目標達成のための戦略立案や業務改善のアドバイスなどもおこなっているという。
▼佐藤さんへの『もしも』のインタビュー
― もしも、過去に戻って自分にひとつだけアドバイスができるなら、いつに戻って、どんなアドバイスをしたいですか?
パッと思い浮かぶのは、短大を中退したことですね。
短大を退学して、バイトを経て前職の企業に勤めました。
当時の自分に「もう少し真面目に勉強しろよ」「もう少し真面目に学校に行っておこう」と言いたいですね。
肩書きがすべてだとは言わないですけど、卒業はした方が良かったなと思います。
― 短大ではのような勉強をしていたんですか?
情報処理の勉強をしていました。
32年くらい前でWindows95がリリースされる前なので、まだ情報処理というものがまだあまり広まっておらず、「情報処理って何なの?」というくらいの時代です。
ゲームプログラマーになりたくてその学校に進学したんですが、実際に学んでみると想像していたものと違って、ビジネス向けのプログラムやネットワーク管理といった内容だったんです。
「作りたいモノを作る」というのが子どもの頃のイメージだったので、会社で使うようなガチガチのものを作るというのが水に合わなくて、1年目の途中から授業に出なくなり、2年目で正式に退学しました。
― 退学後はどのような道に進みましたか?
親戚の紹介で名古屋の企業に就職しました。
その会社がたまたまパソコンを使った業務をやっていて、そこでプログラミングをしたりシステムの管理をするようになりました。
今は、IT系でもいろいろな分野に別れてきましたが、当時はパソコンが一般化したばかりの頃だったので、すべてが手探りの状態でした。
だからこそ、開発もネットワークの構築もパソコンの設定も、とにかくなんでも自分たちでやってみようという時代だったんです。
― ゲーム業界に進もうとは思わなかった?
就職した会社がゲームとは関係のない会社でしたからね。日々の業務に流されたという面もあります。
それに、Windowsが出はじめた頃だったので、ゲームに限らずいろいろなフリーソフトを作る方がたくさんいらっしゃいました。
だから、私もいずれそうした開発の仕事をしたいと思っていて、それが今の仕事のベースになっていると思います。
― システム系の仕事を今まで続けてこられた理由は何ですか?
単純にパソコンが好きだったからです。
パソコン自体は中学生の頃からさわっていたんです。
もちろん、今のようなパソコンではなくておもちゃのようなものですけどね。
プログラミングで言えば、自分の実現したいものを作れるのが一番面白いところだと思います。
今はいろいろなツールが出てきたので、作ることは減ってきましたが、昔は自分で考えて、デザインして、仕事に役立つためのツールを作ることが楽しかったんです。
それが、自分の考えた通りにパソコン上で動いて、さらにそれを使ってもらって喜んでもらえるのがうれしいんですよ。
中学の頃にパソコンを触っていたのが楽しかったのがきっかけで情報処理の短大の進んだという根本のストーリーは変わらないんです。
中退をしてゲームではなくビジネス系のシステムを作るようになりましたけど、「何かを作るのが楽しい」という気持ちはずっと続いています。
― 短大を中退したことに後悔はありますか?
後悔というより、入学したのだからきちんと着地させておえけばよかったと思っています。
ただ、当時は早く社会に出たいという気持ちもあったんです。
結果、中退をしたんですが、まだパソコンがあまり出回っていない時代にいろいろとパソコンを触って経験を積めたのは良かった面もあったと思いますよ。
― 佐藤さん、ありがとうございました。